子育て世帯・若者夫婦世帯の皆さんが住まいを新築・リフォームする際に受け取れる国の補助金として、「子育てエコホーム支援事業」が2023年度に創設されました。この制度は2024年12月31日で交付申請を終了し、2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」を経て、2026年度は「みらいエコ住宅2026事業」として実施されています。北海道のように冬の暖房費がかさむ寒冷地は補助額が上乗せされる設計になっており、恩恵の大きい制度です。この記事では北海道で申請する際に知っておくべき補助額・対象工事・申請手順を網羅的に解説します。
子育てエコホーム支援事業の後継「みらいエコ住宅2026事業」とは
みらいエコ住宅2026事業は、国土交通省・環境省が合同で所管する住宅省エネ化支援制度です。子育て世帯・若者夫婦世帯が省エネ性能の高い住宅を新築・購入する場合や、世帯を問わず既存住宅に省エネリフォームを行う場合に補助金を交付します。
制度の目的
- 住宅の省エネ化を推進し、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献する
- 子育て世帯・若者夫婦世帯の住宅取得を経済的に後押しする(リフォームは世帯を問わない)
- 断熱性能の向上により光熱費を削減し、家計負担を軽減する
対象者
新築(長期優良住宅・ZEH水準住宅)の場合
子育て世帯:申請時点で18歳未満の子を有する世帯
若者夫婦世帯:申請時点で夫婦いずれかが39歳以下の世帯
※GX志向型住宅の新築はすべての世帯が対象です。
リフォームの場合
子育て世帯・若者夫婦世帯に限らず、世帯を問わず申請可能です。
子育てエコホーム支援事業からの主な変更点
2023〜2024年度の「子育てエコホーム支援事業」、2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」を経て、2026年度の「みらいエコ住宅2026事業」では以下の変更が加わっています。
- GX志向型住宅の新設:ZEHをさらに上回る最高水準の住宅区分が追加されました
- 寒冷地加算の導入:北海道など省エネ地域区分1〜4地域では新築の補助額が上乗せされます
- リフォーム上限額の引き上げ:2025年度は上限60万円/戸でしたが、2026年度は上限100万円/戸に拡充されました
最新の公式情報はみらいエコ住宅2026事業公式サイトで確認してください。
補助金額テーブル
新築・購入の場合
新築の補助額は、住宅の省エネ性能ランクによって3段階に分かれ、北海道を含む寒冷地(省エネ地域区分1〜4地域)では補助額が上乗せされます。
| 住宅タイプ | 標準地域(5〜8地域) | 寒冷地(1〜4地域・北海道) | 対象世帯 |
|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 110万円/戸 | 125万円/戸 | すべての世帯 |
| 長期優良住宅 | 75万円/戸 | 80万円/戸 | 子育て・若者夫婦世帯(新築のみ) |
| ZEH水準住宅 | 35万円/戸 | 40万円/戸 | 子育て・若者夫婦世帯(新築のみ) |
※長期優良住宅・ZEH水準住宅の古家除却を伴う建て替えは、別途20万円が加算されます(上限20万円)。
北海道の注意点:北海道を含む寒冷地(省エネ地域区分1〜4地域)は補助額が上乗せされる一方、ZEH水準やGX志向型を満たすための断熱・設備コストが本州より高くなる傾向があります。認定基準を事前に業者と確認することが重要です。
リフォームの場合
| 改修前の住宅水準 | 断熱等級4以上を達成 | 断熱等級5以上を達成 |
|---|---|---|
| 1992年(H4)基準未達成 | 60万円/戸 | 40万円/戸 |
| 1992年(H4)基準達成 | 100万円/戸 | 50万円/戸 |
リフォームは子育て世帯・若者夫婦世帯に限らず、世帯を問わず申請可能です。補助金額は、実施した対象工事の内容・数量によって積み上げ計算されます。上表の金額は上限額であり、実際の補助額は工事内容によって異なります。1申請あたりの補助額合計が5万円以上でなければ申請できません。
補助額の計算イメージ(リフォーム)
例えば、以下のリフォームを組み合わせた場合の補助額概算:
- 外壁断熱(充填断熱):約4〜9万円
- 内窓設置(リビング・寝室):約2〜5万円/箇所
- 高効率給湯器への交換:約6〜8万円
- 合計:約15〜25万円
上限額に達しない工事内容でも、組み合わせによって相当額の補助が期待できます。
対象工事一覧
みらいエコ住宅2026事業のリフォームでは、以下のカテゴリーの工事が補助対象になります。
1. 断熱改修
外壁・屋根・床の断熱強化が主な対象です。
- 外壁断熱:充填断熱(内断熱)・外張り断熱のいずれも対象。断熱材の種類・厚みにより補助額が変わります
- 屋根・天井断熱:小屋裏からの断熱施工も対象
- 床断熱:床下からの断熱施工。北海道では基礎断熱との組み合わせが一般的です
- 基礎断熱:寒冷地特有の断熱工法。省エネ効果が高く、北海道の住宅では重要な工事です
北海道では省エネ地域区分が厳しく設定されているため、断熱材の厚みや熱抵抗値の要件が本州より高くなります。施工業者に道内の基準を確認した上で工事内容を設計してもらいましょう。
2. 窓リフォーム
熱損失の大きい窓の改修は、暖房費削減効果が非常に高く、北海道では特におすすめです。
- 内窓(二重窓)設置:既存の窓の内側に新たな窓を設置。施工が簡単で補助対象としてもポピュラーな工事です
- 外窓交換:既存窓を高性能窓に交換。内窓より施工規模は大きくなりますが断熱効果が高い
- ガラス交換:複層ガラス・トリプルガラスへの交換
北海道では冬期間の室内外温度差が30〜40℃に達する地域もあり、窓の断熱性能は光熱費に直結します。補助金を活用したトリプルガラスへの交換は、初期投資を早期回収できる可能性があります。
3. 給湯設備の更新
- エコキュート(ヒートポンプ給湯機):電気を使って空気の熱をくみ上げる高効率給湯器。北海道の低気温環境でも動作する寒冷地対応機種の選定が必要です
- エコジョーズ(高効率ガス給湯器):熱効率95%以上の高効率ガス給湯器。北ガス・北海道ガスエリアでは普及率が高い
- ハイブリッド給湯器:ガス+ヒートポンプの組み合わせ型。北海道の厳冬期にも安定した性能を発揮
4. その他の省エネ設備
- 太陽熱利用システム(給湯・暖房補助)
- 節水型トイレ
- 高断熱浴槽
5. 子育て対応改修(任意工事・加算対象)
必須工事(断熱改修等)と合わせて行う場合に限り、以下の「子育て対応改修」工事も補助対象に加算できます(公式サイトで確認済みの金額)。
- ビルトイン食器洗機の設置:30,000円/戸
- 掃除しやすいレンジフードへの交換:15,600円/戸
- 浴室乾燥機の設置:27,600円/戸
- 宅配ボックスの設置:13,200円/箇所
※「ビルトイン自動調理対応コンロ」「手すり設置」「キッズスペース設置」は公式情報で確認できなかったため、対象工事として断定的に紹介するのは控えます。最新の任意工事リストは公式サイトでご確認ください。
北海道で申請する際の注意点
1. 寒冷地仕様の確認
北海道は省エネ地域区分で「1地域」(最寒冷)〜「2地域」を中心に分類されます。補助対象となるには省エネ基準への適合が必要ですが、この基準は地域区分によって異なります。北海道内でも地域によって適用基準が変わるため、施工業者に自宅が何地域に属するかを確認してもらいましょう。
道内の地域区分の目安(要確認・自治体により細分あり):
- 1地域:旭川市・稚内市・北見市・帯広市・札幌市など道内の大部分
- 2地域:函館市(一部)など道南の一部
北海道内の大半の市町村が最も寒冷な「1地域」に区分されている点に注意してください。「札幌市は2地域」という情報が出回っていることがありますが、実際には札幌市も1地域に区分されています。正確な区分はYKK APの省エネ地域区分検索等で市町村名から確認できます。
2. 登録施工業者の確認
みらいエコ住宅2026事業では、事業者登録を完了した施工業者による工事でなければ補助金を受けられません。工事の発注前に、業者が事業者登録をしているか必ず確認してください。
確認方法:みらいエコ住宅2026事業の公式サイトから登録事業者検索が可能です。また施工業者に直接「事業者ID」の提示を求めることもできます。
北海道内には多数の登録業者が存在しますが、補助金対応の経験が豊富な業者を選ぶことで、申請手続きをスムーズに進めることができます。リフォーム協会や工務店組合が紹介する業者は信頼性が高い傾向にあります。
3. 工事着工のタイミング
補助対象となる工事は2025年11月28日以降に着手したものに限られます。交付申請自体は工事完了後に登録事業者が行いますが、予算に上限があるため申請が集中すると受付が締め切られる場合があります。工事着手前に「予約申請」を行うことで補助枠を確保できる仕組みもあるため、年度初めの早い時期に動き出すことが重要です。
4. 書類準備の注意
北海道では冬期間の工事が困難なケースがあります。特に外断熱工事や屋根工事は積雪期を避けて春〜秋に集中するため、業者の繁忙期と重なり工期が長くなることがあります。書類の提出期限に余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
北海道市町村補助との併用パターン
みらいエコ住宅2026事業(国の補助)は、多くの場合、道内市町村の補助金と併用できます。以下に主要都市の例を紹介します。
札幌市との併用
札幌市では「札幌版次世代住宅補助制度」(2026年度:プラチナ等級220万円・ゴールド等級180万円)や「札幌市住宅エコリフォーム補助制度」(工事費の10%・上限50万円)などの独自補助を実施しています。国の補助金との重複受給が認められているケースが多く、まとまった額の補助を受けられる可能性がありますが、両制度の住宅性能要件は異なるため必ず事前確認が必要です。
併用例(リフォームの場合):
- みらいエコ住宅2026事業:改修前の断熱水準に応じて最大100万円/戸
- 札幌市住宅エコリフォーム補助:工事費の10%・上限50万円(工事内容による)
上記はそれぞれの制度の上限額を並べたものであり、実際の受給額の合計は工事費・工事内容によって変わります。断定的な合計額の提示は避け、必ず窓口で試算を確認してください。
札幌市の補助申請は市の窓口に行い、国の補助とは別々に申請します。申請時期・必要書類が異なるため、それぞれの締切を確認して準備を進めてください。
旭川市との併用
旭川市は1地域に属する最寒冷地であり、断熱リフォームに対する補助に積極的です。市独自の住宅リフォーム補助制度を活用することで、国の補助との組み合わせが可能な場合があります(制度名・金額は年度により変わるため、旭川市の担当窓口で確認してください)。
旭川市は冬の最低気温が−20℃を下回ることもあるため、断熱・給湯設備の省エネ改修は光熱費削減に直結します。積極的に複数の補助制度を活用しましょう。
函館市との併用
函館市は道南に位置する北海道内では比較的温暖なエリアですが、それでも本州と比べれば省エネ改修の効果は大きい地域です。市独自の住宅リフォーム補助制度を実施している場合があります。
函館市は観光地としても著名で、古い住宅が多いエリアでもあります。既存住宅の断熱リフォームに対する補助を市・国双方から受けることで、初期費用を大幅に抑えた改修が可能です。
併用時の注意点
- 重複申請の可否確認:補助金によっては「他の補助金との重複不可」と明記している場合があります。事前に各窓口に確認することが必須です
- 工事範囲の整理:同じ工事に対して2つの補助を申請できない場合、工事を分けて申請する工夫が必要になることがあります
- 申請窓口・時期の管理:国・道・市町村の申請窓口・受付期間がそれぞれ異なります。カレンダーに整理して管理しましょう
申請の流れ(5ステップ)
ステップ1:事業登録業者の選定・見積もり取得
補助金対応の事業者登録を済ませた施工業者に問い合わせ、工事内容の相談と見積もりを依頼します。複数社から見積もりを取ることで、補助金を活用した最もコスパの高い工事内容を選択できます。
ポイント:「みらいエコ住宅2026事業の補助対象として申請したい」と明確に伝え、業者の事業者IDを確認してください。
ステップ2:交付申請書類の準備
業者と協力して必要書類を準備します。主な書類は以下のとおりです。
- 交付申請書
- 工事請負契約書のコピー
- 建物の登記事項証明書または固定資産評価証明書
- 子育て世帯の場合:住民票(子の続柄が確認できるもの)
- 若者夫婦世帯の場合:住民票または戸籍謄本
- 工事前の写真(対象箇所)
- 見積書・仕様書
ステップ3:交付申請の提出
業者が電子システム経由で申請を行うのが通常の流れです。申請者(施主)は必要書類を業者に渡し、業者が代理で申請手続きを行います。申請が受理されると、交付決定通知が発行されます。
ステップ4:工事の実施
交付決定通知を受け取った後、工事を実施します。工事中は以下の点に注意してください。
- 申請した工事内容と実際の工事内容を一致させる
- 工事中の写真を撮影・保管する(完了報告に必要)
- 使用する断熱材・設備機器の型番・数量を記録する
ステップ5:完了実績報告・補助金受領
工事完了後、完了実績報告書を提出します。提出書類には工事完了の写真・レシート・納品書等が必要です。報告書の審査が完了すると、補助金が施主の口座(または業者経由)に振り込まれます。
受領タイミング:申請から補助金受領まで、通常2〜3ヶ月程度かかります。資金計画に余裕を持って進めましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. 北海道ではみらいエコ住宅2026事業を使える業者が少ないですか?
A. 北海道内にも多数の登録事業者が存在します。公式サイトから郵便番号・市区町村で業者を検索できます。札幌市・旭川市・函館市などの主要都市はもちろん、道内各地に登録業者が広がっています。ただし、地方部では業者数が限られる場合があるため、早めに探し始めることをおすすめします。
Q2. 子育て世帯でなくても申請できますか?
A. 長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築については子育て世帯・若者夫婦世帯のみが対象です(GX志向型住宅の新築はすべての世帯が対象)。リフォームについては、世帯を問わず申請可能で、子育て・若者夫婦世帯とその他の世帯とで補助上限額に差はありません。詳細は公式サイトで最新の要件を確認してください。
Q3. 賃貸住宅に住んでいますが、申請できますか?
A. みらいエコ住宅2026事業の対象は原則として自己所有の住宅(所有者が申請者本人)です。賃貸住宅の場合は申請できません。ただし、建物所有者(大家さん)が申請主体となるケースもあるため、相談してみるのも一つの方法です。
Q4. 補助金の受け取りは工事前・工事後どちらですか?
A. 補助金の交付は工事完了後の実績報告審査を経て行われます。工事費用は一旦自己負担し、補助金は後払いで受け取る形になります。資金繰りが不安な場合は、住宅ローンや銀行の工事つなぎ融資の活用も検討してください。
Q5. 札幌市の補助金と国の補助金を同時に申請するにはどうすればよいですか?
A. それぞれ別々の窓口・手続きで申請します。国の補助(みらいエコ住宅2026事業)は登録施工業者経由で電子申請、札幌市の補助は市の担当窓口(または電子申請システム)に申請します。同じ工事に対して重複して申請できるかどうかは制度によって異なりますので、それぞれの窓口に事前確認することが重要です。施工業者は補助金申請の経験が豊富な場合が多いため、業者にも相談しながら進めると安心です。
まとめ
「子育てエコホーム支援事業2026」として検索される制度は、現在は後継のみらいエコ住宅2026事業として実施されています。子育て世帯・若者夫婦世帯(新築の長期優良住宅・ZEH水準住宅)は寒冷地加算を含めて最大80万〜125万円、リフォームは世帯を問わず改修前の断熱水準に応じて最大100万円の補助を受けられる制度です。
北海道では冬の暖房費がとりわけ大きな家計負担になるため、断熱・窓・給湯設備の省エネ改修は光熱費削減に直結します。国の補助に加え、札幌市・旭川市・函館市などの市町村補助を組み合わせることで、初期投資の回収期間を大幅に短縮できる可能性があります。
申請にあたってはいくつかのポイントを押さえる必要があります。
- 登録施工業者への依頼:事業者登録のない業者では補助が受けられません
- 早めのスタート:予算に上限があるため、年度初めから動き出すことが重要です
- 寒冷地仕様の確認:北海道の地域区分に合った断熱性能・設備仕様を選ぶことが補助対象の要件を満たす鍵です
- 市町村補助との併用:併用可否を事前確認した上で、複数の補助制度を最大限活用しましょう
住まいの省エネ化は、光熱費の削減だけでなく、快適な居住環境の実現にもつながります。北海道の厳しい冬を暖かく・省エネに過ごすための第一歩として、みらいエコ住宅2026事業をぜひ活用してください。
本記事の情報は2026年7月時点のものです。補助金制度の詳細・最新情報はみらいエコ住宅2026事業公式サイトおよび各市町村の窓口でご確認ください。